コラム

行動変容を導くコミュニケーション法


現代のコミュニケーションのポイントとは?

今から何十年も前、保健医療従事者が強い権威を持っていた時代がありました。当時は、保健医療従事者が「何かをしなさい」、と住民や患者に指示すれば、すぐに行動変容を起こしたものです。会社でも、年功序列の組織の中で、役職が高い人間が「これこれをしなさい」と言えば、下の人間がそれに従った時代がありました。いわば、そこには大人と子どものような関係があり、「何かをしなさい。しなければ、怒るわよ」と言いさえすれば、物事がうまくいった時代があったのです。

その後、時代は大きく移り変わり、「保健医療従事者だから、あるいは上司だから偉いのだ。偉いのだから、言うことを聞くべきなのだ」という時代は終わりました。ある意味で、「大人と子どもの関係」から「大人と大人の関係」になったのだとも言えるのかもしれません。子どもと違い、大人というのは既にある一定の価値観、考え方を持っており、それに基づいてコミュニケーションをとっていく必要性があります。つまり、「相手の価値観」をいかに把握できるかが、現代におけるコミュニケーションのポイントとなってきました。