コラム
座りすぎは健康に悪い?!
筋肉の収縮がカギを握る
現代に生きる私たちは、起きている時間の半分近くを、椅子の上で過ごしていると言われます。時間にすると、何と9.3時間にもなるそうです。
座りすぎは寿命を縮めるだけでなく、肥満や糖尿病、心臓病などの病気になりやすいことも明らかにされています。しかし、なぜ座りすぎがよくないのか、そのメカニズムの解明が始まったのは、つい最近のことです。
「座ると、脂肪の燃焼に関係する酵素の働きが、止まってしまうのです」
そう述べるのは、ミズーリ大学コロンビア校のマーク・ハミルトン教授。
私たちの筋肉には、リポたんぱく質リパーゼ(LPL)と呼ばれる、脂肪燃焼に関わる酵素があります。
でも座っている間は、筋肉の収縮がなくなります。その結果、脂肪を燃焼する酵素が働かなくなってしまい、病気になりやすくなるようです。
一方で、
「座っていても、パソコンなどをしていれば、腕の筋肉を動かすのでは?」
と思うかもしれません。
しかしハミルトン教授によれば、私たちの筋肉の大部分は足や背中についているため、座って腕だけ動かしていても意味がないということです。