コラム

元気づくりを科学する


しあわせの構成要素とは?

ポジティブ心理学の研究が明らかにした、しあわせの構成要素について、表2に記しました。
 表2 しあわせの構成要素

考え方 40%
個人が置かれた状況
(どこに住んでいるか、どれだけ金持ちか、
どれだけ健康か、など)
10%
遺伝 50%
S.Lyubormirskyら、2005)

 

驚くべきは、個人が置かれた状況の影響度が、わずか10%であるということです。私たちはつい、よい教育や高い収入を得るとしあわせになる、と考えがちですが、「しあわせはお金では買えない」とは、そのとおりなのかもしれません。

一方で、元気づくりという視点から注目に値するのは、「考え方」がしあわせの構成要素として40%も影響している、という点です。つまり、しあわせになりやすい考え方を獲得することが、元気づくりには重要であると示唆されます。

たとえば、公衆衛生学の分野でも、考え方と健康に関する研究があります。ハーバード大学で行われたある調査によれば、なんと7歳の時の将来に対する見通しが明るいか暗いかで、30年後の健康状態が予測できることが報告されています。

その他にも、実に多くの幸せや元気に関する研究が行われ、続々とその成果が蓄積されつつあります。アメリカの最新の健康政策ヘルシーピープル2020においても、「元気」は一つの大きな柱であり、時代はまさに今、元気と病気の調和が求められ始めていえるでしょう。