コラム
元気づくりを科学する
20世紀の人は、何が原因で病気になるのか?
慢性疾患の原因究明について、膨大な研究が行われましたが、その成果の一つが、カナダのラロンドレポートやアメリカのヘルシーピープルです。慢性疾患の時代になり、一体私たちがなぜ病気になるのか、その原因を明快に示し(表1参照)、その後の各国の健康政策の模範となりました。
表1 病気の発生に寄与する4つの要素とその割合
現在のヘルスケア・システムの不適切さ | 10% |
不健康な生活習慣・行動様式 | 50% |
環境要因 | 20% |
遺伝学的要因 | 20% |
(米国厚生省、1979) |
さて、これまでみてきたように、医学や公衆衛生学の世界では「病気」に着目した研究や実践が行われてきた一方、他の分野に目を向けると、「元気」に着目した人たちがいました。